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EG Synchro FXサポートです。
今週のレビュー
今週のユーロドル相場(EURUSD)は、週初1.1343で寄り付いた後、早々に週間高値1.1346まで上昇しました。
しかし、買い一巡後に伸び悩むと以下の原因で週末にかけて、2020年6月以来約1年8ヵ月ぶり安値となる1.1122まで急落しました。
引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、1.1145近辺で推移しております。
- ウクライナを巡る地政学的リスクの高まり(ロシア政府は米政府がウクライナ情勢を踏まえ約8500人の兵士を欧州派遣要員として待機させていることを「深刻な懸念を持って注視している」と発言)
- 上記を背景とした欧州経済の先行き不透明感(欧州とロシアの関係性悪化→ロシアによる天然ガス供給抑制→欧州圏でインフレ発生→欧州経済打撃の波及経路)
- 米FOMC及びパウエルFRB議長記者会見のタカ派的な結果
- 上記を背景した欧米金融政策の方向性の違い
- テクニカル的な地合いの弱さ(昨年11/24に記録した直近安値1.1185を下抜けたことで短期筋のロスカットを誘発した他、強い売りシグナルも複数点灯)
来週の見通し
ユーロドル相場は1/14に記録した約2ヵ月ぶり高値1.1484(昨年11/11以来)をトップに反落に転じると、週末にかけて2020年6月以来、約1年8ヵ月ぶり安値となる1.1122まで急落しました。
この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表雲下限といった主要サポートポイントを軒並み下抜けした他
強い売りシグナルを示唆する三役逆転やパーフェクトオーダー、弱気のバンドウォークも成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの弱さを決定付けるチャート形状となっております。
(長らく続いた1.1200-1.1400レンジを1/12に上抜けたことで、地合いの好転が期待されましたが、結局上方ブレイクが騙しとなる形で1/27に1.1200を下方ブレイク)
ファンダメンタルズ的に見ても、以下の原因でユーロドルの下落を連想させる材料が増えつつあります。
- 米金融政策の早期正常化観測(今週発表された米FOMC及びパウエルFRB議長記者会見が極めてタカ派的な結果→米長期金利急上昇→米ドル高)
- ECBによる金融緩和の長期化観測(ラガルドECB総裁は1/20に「ECBはFRBほど迅速に行動しない理由がある」と発言→ECBによるタカ派傾斜観測を否定→ユーロ売り)
上記を背景とした欧米金融政策の方向性の違い(ユーロ売り・ドル買い) - 欧州経済の先行き不透明感
- ウクライナを巡る地政学的リスク
以上を踏まえ、引き続き、ユーロドル相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。
今週のFX用語
米国雇用統計
為替相場、ひいては世界経済において重要な指標の1つと言われているのが米国雇用統計です。
世界経済の中心とされるアメリカの雇用情勢が、毎月1度(第1金曜日)発表されます。
米国雇用統計の発表は速報ニュースになるほど重要度が高く、マーケットに大きな影響を与えます。
アメリカの消費全体における約70%は個人の消費(2021年時点)であり、この個人消費が上向きか下向きかによって雇用情勢に大きな影響を与えます。
そのため、世界中の投資家や金融機関はこの雇用統計の数値を重要視する傾向にあります。
雇用統計の結果はアメリカの景気を如実に表すものであり、為替相場にも大きな変動が起こります。