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EG Synchro FXサポートです。
今週(先週)のレビュー
今週のユーロドル相場(EURUSD)は、週初1.0536で寄り付いた後、以下が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値1.0642まで上昇しました。
- シュナーベルECB専務理事による「7月利上げは可能」「資産購入はおそらく6月末までに終了させる必要性がある」とのタカ派的な発言
- パウエルFRB議長による「75bpの利上げは積極的に検討しているものではない」との慎重な発言
- 上記を背景とした米長期金利の急低下(米10年債利回りは3.00%から2.91%へ低下)
- 株式市場の堅調推移
しかし、買い一巡後に伸び悩むと、下記が重石となり、週末にかけて、週間安値1.0483まで急落しました。
- 米金利上昇に伴うドル高圧力
- 欧州経済の先行き不透明感(欧州連合はロシアからの石油の輸入を禁止する追加制裁案を3/4に発表→欧州圏におけるエネルギー不足→インフレ昂進→欧州経済への下押し圧力)
- パネッタECB専務理事による「ECBは7月に利上げすべきでない」とのハト派的な発言
- 株式市場の冴えない動き(資産現金化需要のドル買い圧力)
- ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク(有事のドル買い)
もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、以下要因で結局1.0548前後まで幾分持ち直しての越週となっております。
- フランス中銀ビルロワドガロー総裁やドイツ連銀ナーゲル総裁による早期利上げを示唆するタカ派的な発言
- 上記を背景とした欧州債利回りの上昇
来週(今週)の見通し
ユーロドル相場は2/10に記録した約3ヵ月ぶり高値1.1496(昨年11/10以来の高値圏)をトップに反落に転じると、
4/28に2017年1月以来、約5年3ヵ月ぶり安値となる1.0471まで急落しました(今週も米FOMC後に一時1.0642まで反発するも週末にかけて1.0483まで反落するなど上値の重さを再確認)。
上方に複数のレジスタンスポイント(一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドなど)を控えていることや、
強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーが継続していることなどを踏まえると、
テクニカル的に見て、地合いは極めて弱いと判断できます(ユーロドル=1.0000のパリティ割れが射程圏内)。
ファンダメンタルズ的に見ても、以下の材料がユーロドル相場の下落を連想させる材料が揃っています。
- ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの高まり(5/9の対独戦勝記念日にロシアが勝利宣言を行うとの警戒感)
- 上記①を背景とした欧州経済の先行き不透明感(欧州連合はロシアからの石油の輸入を禁止する追加制裁案を発表→欧州圏におけるエネルギー不足→インフレ昂進リスク→欧州経済への下押し圧力)
- 米FRBによるタカ派スタンスの明確化(米FRBはインフレ抑制を最優先→米金利上昇と早期バランスシート縮小に伴うドル高圧力)
- 欧米名目金利差拡大に伴うユーロ売り・ドル買い圧力(独米10年債利回り格差は年初の1.76%から2.02%へ急拡大)
以上を踏まえ、引続きユーロ売り・ドル買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。
尚、来週は5/10のドイツ5月ZEW景況感調査以外に目立った欧州経済指標が予定されていないため、
米経済指標(米4月消費者物価指数や、米4月生産者物価指数など)を睨みながらの相場展開が予想されます(上記以外に5/9の対独戦勝記念日にも要警戒)。
ドイツZEW景況感調査が市場予想を下回る場合や、米インフレ指標が市場予想を上回る場合などには、欧米金融政策の方向性の違いに着目したユーロ売り・ドル買いが強まる可能性があるため、
来週はユーロドル相場の下落リスクに注意を要する1週間となりそうです。
今週のFX用語
フィボナッチ・リトレースメント
FXにおけるフィボナッチとは、「1:1.618」という黄金比率をチャートに組み込み、
その後の動きを予想するテクニカルな分析方法です。
黄金比とは、フィボナッチ数列によって導き出せる形状のことで、一般的に人間が自然と好む形とされています。
この黄金比はFXのチャート上にも登場し、数値の比率を参考にしながらチャートの動きを予想します。
同じ方向に上昇/下降を続けることをトレンド相場と呼びますが、必ずしも一直線に進んでいくわけではなく、
細かい上下変動を繰り返していくのが一般的です。
フィボナッチ・リトレースメントを活用することで、一時的に上げ止まる(下げ止まる)ポイントの予想ができます。
EG Synchroもこの黄金比を取り入れたシステムとなっており、相場さえ間違えなければ勝率はかなり高いと考えいます。