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EG Synchro FXサポートです。
今週(先週)のレビュー
今週のユーロドル相場(EURUSD)は、週初1.0472で寄り付いた後、
週末に実施されたフランス下院選挙の決選投票でマクロン大統領率いる与党連合が過半数を大きく割り込んだこと
(前回の350議席に対して今回は過半数の289議席を大幅に割り込む245議席まで大幅減少)や、
ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの悪化懸念(ウクライナのゼレンスキー大統領は「ロシアによる攻撃が激化する可能性がある」との見解を発表)、
欧州経済の先行き不透明感(スタグフレーション懸念が燻る中での金融引き締め転換は景気への逆風)、欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力が重石となり、
週央にかけて、週間安値1.0468まで下落しました。
しかし、売り一巡後に下げ渋ると、以下が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値1.0606まで反発しました。
・米金利低下に伴うドル売り圧力(米長期金利が急低下→世界的なドル安に波及)
・株式市場の持ち直し(市場心理改善→リスク選好のドル売り圧力)
・短期筋のショートカバー
もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、下記などが不冴な結果が重石となり、1.0555前後で推移しております。
- 米当局者による相次ぐタカ派発言(パウエルFRB議長やシカゴ連銀エバンズ総裁など)
- ユーロ圏6月消費者信頼感指数(結果▲23.6、予想▲20.5)の冴えない結果
- ユーロ圏PMI速報値(フランス6月PMI速報値、ドイツ6月PMI速報値、ユーロ圏6月PMI速報値)の冴えない結果
- ドイツ政府による国内ガス供給リスクレベルの上方修正(上から2番目の「警報」レベルへの引き上げ)
- ドイツ6月IFO企業景況感指数(結果92.3、予想92.9)
来週(今週)の見通し
ユーロドル相場は5/30に記録した直近高値1.0788をトップに反落に転じると、6/15に一時1.0359まで下げ幅を広げましたが、今週は再び持ち直す動きとなりました。
但し、上方に一目均衡表の分厚い雲が覆い被さってきていることや、日足ベースで強い売りシグナル(弱気のパーフェクトオーダー)が点灯していることなどを踏まえると、
テクニカル的に見て、地合いは弱い(続伸余地は限定的)と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、以下などユーロドル相場のダウンサイドリスクを連想させる材料が揃っています。
- ロシアを巡る地政学的リスクの長期化懸念(エネルギー危機への警戒感増大→ドイツ政府は国内ガス供給リスクレベルを上から2番目の「警報」レベルへ引き上げ)
- 欧州経済の先行き不透明感(スタグフレーション懸念が燻る中での金融引き締め転換は欧州経済への強い逆風。今週発表された欧州経済指標を軒並み冴えない結果)
- 米FRBによるタカ派傾斜観測(米欧名目金利差拡大に着目したユーロ売り・ドル買い圧力)
- フランスの政局不透明感(マクロン大統領率いる与党連合が過半数を大きく割り込んだこと)
以上を踏まえ、ユーロドル相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。
尚、来週は6/29に予定されているドイツ6月消費者物価指数や、7/1のユーロ圏6月消費者物価指数に注目が集まります。
市場予想を上回る場合は、ECBによる更なる金融引き締めスタンス強化→欧州経済への強い逆風→スタグフレーション懸念→欧州株下落→ユーロ売りの経路が意識されるため、
週央以降はユーロドルの下落リスクに注意を要する時間帯が続きそうです。
今週のFX用語
ECB政策理事会
ECB(欧州中央銀行)政策理事会は、ユーロ圏の金融政策や政策金利に関することを討議・決定する会合です。
毎月1回目の会合では、ユーロ圏の政策金利などの金融政策を決定します。
2回目の会合では、金融政策以外のことが討議の中心になります。
また議事要旨が公開されないため、第1回目の会見後に開かれるECB総裁の発言に注目が集まります。