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EG Synchro FXサポートです。

今週(先週)のレビュー

今週のユーロドル相場(EURUSD)は、週初1.0555で寄り付いた後、以下が支援材料となり、週明け早々に、週間高値1.0616まで上昇しました。

  • 欧州株の堅調推移
  • 欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力
  • ポルトガルの都市シントラで開催されるECB年次フォーラム(欧州版ジャクソンホール)を控えたポジション調整
  • 心理的節目1.0600突破に伴う仕掛け的なユーロ買い・ドル売り

しかし、一目均衡表雲下限をバックに伸び悩むと、下記が重石となり、週末にかけて、週間安値1.0368(6/15以来の安値圏)まで下落しました。
引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、1.0425前後で推移しております。

  • G7首脳による対露制裁強化の確約発表(エネルギー供給が一段と逼迫するとの警戒感→欧州経済のスタグフレーション懸念を想起)
  • ドイツ7月GFK消費者信頼感(結果▲27.4、予想▲27.3)の冴えない結果(過去最低更新)
  • ラトビア中銀カザークス総裁による「7月の0.5ポイント利上げは検討に価する」とのタカ派的な発言
  • ラガルドECB総裁による「7月に0.25%の利上げの意図を再確認」「9月利上げの規模は必要に応じて大きくなる可能性あり」「低インフレの環境に戻る可能性は低い」とのタカ派的な発言
  • リトアニア中銀シムカス総裁による「データが悪化すればオプションとして7月の50bp利上げを求める」「9月会合では50bpの利上げが実施される可能性が極めて高い」とのタカ派的な発言
  • ベルギー中銀ウンシュ総裁による「来年3月までの150bp利上げは妥当」「7月会合での25bp利上げは既成事実と想定している」とのタカ派的な発言
  • 上記を背景とした欧州経済の先行き不透明感(スタグフレーション懸念が燻る中での金融引き締めは景気への逆風)
  • ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク(ロシアによるウクライナ攻撃が激化)
  • ドイツ6月消費者物価指数(結果7.6%、予想8.0%、前回7.9%、※前年同月比)の市場予想を下回る結果(欧州債利回り急低下→ユーロ売り)
  • ドイツ6月失業率(結果5.3%、予想5.0%)及び、ドイツ6月失業者数(結果+13.3万人、予想▲0.6万人)の大幅増加

来週(今週)の見通し

ユーロドル相場は6/27に記録した直近高値1.0616をトップに反落に転じると、週末にかけて、約2週間ぶり安値となる1.0368(6/15以来の安値圏)まで急落しました。
この間、主要サポートポイントを軒並み下抜けした他、日足・週足・月足の全て強い売りシグナルが点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、以下などのユーロドル相場のダウンサイドリスクを連想させる材料が揃っています。

  • ロシアを巡る地政学的リスクの長期化懸念
  • 中国経済の持ち直し期待
  • 上記を背景とした資源価格の上昇圧力
    (エネルギー価格上昇→ユーロ圏のインフレ圧力→7/1に発表されたユーロ圏6月消費者物価指数速報値は、前年比+8.6%と、前月の+8.1%や市場予想の+8.4%を上回り過去最高を更新)
  • 欧州経済の先行き不透明感
    (スタグフレーション懸念が燻る中での金融引き締めは欧州経済に対する強い逆風→ここ最近発表された欧州経済指標は軒並み冴えない結果)
  • 米FRBによるタカ派傾斜観測(米欧名目金利差拡大に着目したユーロ売り・ドル買い圧力)

以上を踏まえ、引き続き、ユーロドル相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。
※尚、来週は7/4に予定されているユーロ圏5月生産者物価指数や、7/6のユーロ圏5月小売売上高などに注目。
目先は6/15に記録した直近安値1.0359や、5/13安値1.0350、2017年1月安値1.0340を試すシナリオを想定。
これらの水準を下抜けできれば、2002年12月以来、約19年6ヵ月ぶりとなるパリティ=1.0000割れが射程圏内に

今週のFX用語

ゴールデンクロス・デッドクロス

2本の移動平均線を使うテクニカル分析において、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜けることをゴールデンクロス
逆に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に抜けることをデッドクロスといいます。
ゴールデンクロスの場合は、「より直近の価格傾向が上向きに転じた」とみられるために買いポジションを取り
デッドクロスの場合は、「より直近の価格傾向が下向きに転じた」とみられるために売りポジションを取るのが一般的です。
ただし、移動平均線の期間の取り方によっては、クロスする時期と実際の値動きにズレが生じるため、うまくいかないことがありますから、注意が必要です。