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EG Synchro FXサポートです。

今週のレビュー

今週のユーロドル相場(EURUSD)は、週初1.1316で寄り付いた後、下記要因により週央にかけて、週間安値1.1221まで下落しました。

  • 欧米金融政策の方向性の違いに着目したユーロ売り・ドル買い圧力
  • 欧州圏で広がる新型コロナウイルス感染拡大懸念(ユーロ圏各国による感染拡大防止策強化への警戒感→欧州経済の先行き不透明感。デギンドスECB副総裁も新型コロナウイルス検査で陽性反応)
  • ウクライナ情勢を巡る地政学的リスク
  • 米FOMCを控えた警戒感
  • 米11月生産者物価指数の伸び率加速
  • 独IFO経済研究所による2022年成長率予測の大幅下方修正(9月時点の5.1%から3.7%へ下方修正)
  • 米FOMCのタカ派的な結果(米金利上昇→米ドル高)が重石

しかし、11/24に記録した直近安値1.1185(約1年5ヶ月ぶり安値圏)をバックに下げ渋ると、以下の原因週後半にかけて、週間高値1.1361まで反発しました。

  • 米FOMCを通過したことに伴う材料出尽くし感
  • ECB理事会を通過した材料出尽くし感(ECB理事会はパンデミック緊急購入プログラムを2022年3月末に終了することを決定しつつも、APPを増枠することで金融政策に柔軟性を残した)
  • ECBによるインフレ見通しの大幅上方修正(2022年のHICP見通しを従来の+1.7%から+3.2%へ上方修正)が支援材料となり

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、ラガルドECB総裁によるハト派的な発言(ECBが2022年中に利上げに踏み切る可能性は非常に低い)や
株式市場の軟調推移(米中対立激化懸念→リスク回避のドル買い再開)、ウォラー米FRB理事による「3月FOMCでの利上げもあり得る」とのタカ派的な発言が重石となり
1.1258前後まで値を崩す展開となっております。

来週の見通し

ユーロドル相場は引き続き安値圏(1.1200-1.1400)でのレンジ相場が続いております(11/24に約1年5カ月ぶり安値となる1.1185を記録するも、その後は1.1300を挟んで方向感に欠ける値動きが継続)。
但し、上方に複数のレジスタンスポイントを控えていること(一目均衡表雲が上方から垂れ下がってくること)、
強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転や移動平均線のパーフェクトオーダー、ダウ理論の下落トレンドが成立していることなどを踏まえると、
テクニカル的に見て地合いは弱いと判断できます(余程強いユーロ買い・ドル売り材料が出てこない限り、上値余地は限定的)。

  • ファンダメンタルズ的に見ても、以下の原因でユーロドル相場の上値を抑制する材料が複数残っております。
  • 欧米金融政策の方向性の違い(米テーパリングの加速および米利上げ前倒しが織り込まれた米国と、金融緩和に柔軟性を残した欧州との金融政策格差は歴然)
  • 欧州経済を巡る先行き不透明感(欧州圏で新型コロナウイルスが拡大→欧州圏における行動制限再強化の思惑)
  • 北アイルランド議定書を巡る英国・欧州連合間の不確実性
  • ウクライナを巡る地政学的リスク

以上を踏まえ、引き続き、ユーロドル相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。

尚、来週は、ユーロ圏経済イベントに乏しく
また、クリスマス休暇入りに伴う市場参加者の減少や、主要国中銀の金融政策イベント通過に伴う材料出尽くし感が重なることから
軟調推移を想定しつつも値幅は限られたものに留まりそうです
(11/24に記録した約1年5ヶ月ぶり安値1.1185に向けて緩やかに下落する展開を想定)。

今週のFX用語

クリスマス休暇

日本では12月29日から翌年の1月3日までが年末年始の休暇となるのが一般的ですが
FX市場に大きく影響を与える欧米諸国ではクリスマスイブの12月24日から翌年の1月1日までがクリスマス休暇で為替ディーラーを含む多くの企業は休みとなり活動しません。

さらにクリスマス当日と1月1日はFX市場自体が休みとなるので
この期間にFX市場に参加しているトレーダーは極端に少ない状態で、取引も普段よりも低調に推移します。

但し休み明けの流動性の低い状態のFX市場では、通常の取引時よりも値動きが大きくなる傾向が見られ
その値動きが極端に激しくなるとフラッシュクラッシュが起こります。
フラッシュクラッシュとは、短時間で為替相場が一方向に大きく変動することを指し、
流動性が高い状態と比べて、流動性が低い状態で発生しやすくなります。

※なお、EG Synchroでも12月27日~1月7日までは稼働停止を予定しております。